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08年日本代表監督にベンゲル氏 

まずはこの記事を読んでください。

以前からヴェンゲルを日本代表監督に招聘したいという川淵キャプテンの意向は伝えられてきましたが、まあ随分と自分勝手な見方をしてますね、報知は。「意欲を見せた」なんて表現がいかにも勝手な解釈で突っ走りがちな日本のメディアらしいです。まあところどころ同意できるところもあるんですが。

正直この先ヴェンゲルがオファーを受けるのかどうかというのはわかりません。この中でも書かれているように、ヴェンゲルは代表監督よりもクラブ監督の方にやり甲斐を感じている、というのも確かでしょうが、先の事は本人にすらわからないでしょう。人間いつ気が変わるかわからないもんですから。

ただ個人的に今年中の就任はあり得ないと思っています。それはアーセナルとの契約を全うしたい云々という話ではありません。この記事ではいわゆる「Struggling Gunners」が日本にとって追い風になるのではないかという見方をしていますが、逆でしょうね。03/04シーズンにリーグ無敗優勝を達成し、その後リーグの無敗記録を塗り替えた事で、ヴェンゲルだけでなく選手、クラブ全体がある種の満足感に満ちていたと思います。しかしその翌シーズンにはすでにこの有様。しかも一気に世代交代を推し進めた結果ですから、ヴェンゲルにしてみれば何としても今のチームに嘗ての栄光を取り戻させたい、いやそれ以上のチームに育て上げたいという情熱があるはずです。当然その一つの指標としてチャンピオンズリーグ制覇というのはあるでしょう。これはヴェンゲル個人ではなく、サポーターも含めたクラブの悲願です。何よりアーセン・ヴェンゲルという男は、こんな何もかもが中途半端な状況で仕事を投げ出すような人物ではありません。

その一方で、確かに日本に対する想いというのはあると思います。ある程度日本代表を追いかけている人なら、ヴェンゲルが今まで何度となく日本について語ってきたのを見ているでしょうし、右に紹介している二冊の本を執筆している事からもそれは明らかです。

僕はアーセナル>日本代表なのですが、今回はアーセナルよりも日本代表、いや日本のフットボール界の視点から語ってみる事にします。


まず一つ。この記事の中でヴェンゲルも言っていますが、今この時期に次期監督の話が表立って報道されている事に危機感を感じる。

最近本当にわからないんですが、川淵キャプテンは一体何を考えてるんでしょうか。ドイツW杯まで半年を切った今、その後の事を考えている余裕が一体どこにあるというんでしょうか。確かにジーコはドイツW杯後の続投はないと言ってますし、川淵キャプテンも続投はないと言い切っているようですから、今のうちに次の監督に目をつけておくのは当たり前です。しかしそれはあくまで水面下で進める事で、売り上げ・アクセス本意の自分勝手なメディアにすっぱ抜かれたならまだしも、川淵キャプテン自ら次期監督について明言してしまうなんてまったくもって現代表・現代表監督への配慮を欠いていますし、リスペクトが感じられません。


二つ目。ヴェンゲルを日本に連れてくるにしても、本当に代表監督でいいのか。

日常的にアーセナルでのヴェンゲルを見ている僕から見ると、代表監督というのはヴェンゲルには向かないと思います。この記事の中でも書かれていますし、日本の記事でよく目にする「知将、智将」という言葉。これには違和感を感じます。僕が思うに、ヴェンゲルは名将ではありますが、知将ではありません。それは試合中の采配を見れば明らかです。大抵彼の決断は遅く、またコンサバティブです。それにヴェンゲルの頑固な気質や、アンリを始めとする選手達のスタイルの問題もあるでしょうが、ホーム/アウェー、国内/ヨーロッパを問わず一辺倒な戦い方、セオリー通りではあるがそれ以上でもない守備の仕方、セットプレーの攻守。常にスペクタクル溢れるサッカーを目指すヴェンゲルですが、彼が本当に知将であれば、スペクタクルは残しつつこういった問題点をうまく解決する方法を見つけるのでは?と考えてしまいます。

まとめると今更な話になりますが、ヴェンゲルは「coach」ではなく「manager」なのです。アーセナルが今の地位を築けたのは、選手を、何よりクラブをヴェンゲルが自身の手で育ててきたからなんです。しかし代表監督ともなれば、そういった機会は激減します。選手を育成するのはあくまでクラブ、代表として集まった短い期間にできる事は限られます。極端な言い方をしてしまえば、代表監督という役割はヴェンゲルには畑違いです。彼の能力を活かそうと思ったら代表監督などという「中間管理職」ではなく、もっと包括的に日本のフットボール全体に関われるポジションに置くべきです。例えば?そう、他でもない川淵キャプテンのポジション、と言ったらちょっと極端過ぎですかね・・・。

それと僕にはもう一つ、代表監督としてのヴェンゲルには懐疑的な部分があります。恐らくほとんどの日本国民にとって一番の関心事である、本当にこれで代表は強くなるの?という疑問です。まあやってみなければわからないと言ったらそれまでですが、僕は今と大して変わらないと思いますね。まあそもそも元となるタレントが云々という話も当然あるのですが、それを差し引いても、です。

上でも書いたように、代表監督という立場上、自ら率先して選手を育成する事はできません。せいぜい目をつけた選手が所属するクラブに、「あいつはいい選手になるから大事に育てろ」と言うぐらいでしょう。今でこそアーセナルで抜本的な世代交代を断行し、ドラスティックな振る舞いを見せているヴェンゲルですが、自らが選手を育成する機会が限られる、加えてクラブに比べ代表が行う試合数が圧倒的に少なく且つそのほとんどが国を背負った重要な試合であるという事を考慮した場合、今のように若手中心ではなく経験豊富なベテラン中心の構成を採る可能性が高いんじゃないかと思うのです。もちろんそれが悪い事だとは思いませんし、ナショナルチームという性質上ヴェンゲルが必要以上にチームを高年齢化するとは考えにくいですが、今のヴェンゲルを見て同じ事を代表でも期待すると、ちょっと違う結果が返ってくるんじゃないかなと思います。そしてその場合、「知将」ではないヴェンゲルが率いる我らが代表が果たして活躍するのかと考えると・・・かなり疑問です。そういった意味では、同じ代表監督ならもっと下の世代のチームの方が向いているかもしれません。


何やら自分の応援するチームの監督をこれでもかというほどけなしているようにも見えるかもしれませんが、そうではありません。ピッチ上での監督としてはともかく、マネージャーとしてのヴェンゲルの能力は間違いなく世界でもトップクラスです。ヴェンゲルの持つノウハウ、欧州での経験を本当に日本のために活かしたいと考えるのなら、代表監督というポジションでいいのかという疑問を投げかけただけです。ただいきなり外国人であるヴェンゲルを日本サッカー協会の会長に、なんて誰が考えても無謀な話ですから、そこへ至るプロセスとして代表監督に就く、というのはアリだと思います。ただ例え監督をやめてもクラブに残って欲しいというアーセナルの立場から考えれば、冗談ではないという事になるんですけどね。


せっかくヴェンゲルの話をしているので、ここはアーセナル側の視点からの話もするとしましょう。

まあヴェンゲルを手放すべきでないというのは当然の大前提としてあるとして、監督業はやめさせた方がいいかもしれません。ヴェンゲルにはクラブ運営と若手の発掘・育成、それから選手のマネージメントを行ってもらいます。監督は別に据えます。デシャンなんかいいかもしれません。モナコを率いた事があるという共通点がありますし、何より同じフランス人です。まあお互い実績がありますし、デシャンは結構我が強いところがあるので、対立しないとも限りませんが・・・。まあとりあえず誰を、という話はさておき、別の監督を連れてきます。

チームがコンペティションを戦う事について、ヴェンゲルにしてもらうのは若手を見つけてきて育成する事、それと実践レベル以外での選手の管理です。例えば食事や飲酒制限といった、今も行っている生活習慣ですね。ヴェンゲルは見つけてきた若手を自ら、またユースやリザーブ監督を通じて指導します。そしてトップチームで通用すると判断した段階で、トップチームの監督に託します。

では監督はヴェンゲルが持ってきた駒で試合をするだけか?というとそうではありません。ヴェンゲルにしてもらうのはあくまでも選手そのものの育成であり、監督はその選手をどういう風に使うかだけでなく、監督自身がこれからその選手に対して望む方向にさらに成長させる必要があります。そうやって監督は自分の望むチームに合うように選手を指導していくのです。言い換えるとヴェンゲルが教えるのはフットボールそのものですが、監督が教えるのはアーセナルのフットボール、という事になります。監督はもしそこで何かが足りないと思えば、フロント、それからヴェンゲルにこんな選手が欲しいんだけどとリクエストを出します。またヴェンゲルも監督の意向を聞いた上で、こういう風にすればいいよという助言(あくまで助言だけです、でないと対立します)を与えます。

要約すると、「coach」と「manager」の仕事を分けてしまうわけです。監督は試合をするにあたって直接関係ない事は教えなくていいのです。そういった仕事はヴェンゲルが受け持つ事になります。そうする事によってヴェンゲルの持つ若手の育成能力と選手管理のノウハウを維持したまま、ヴェンゲルに足りない実践レベルでのノウハウを補完する事ができます。例えば攻撃・システムのオプション、より高度な守備、セットプレー、そして選手交代の妙ですね。

ただしこの仕組みをうまく機能させるにはヴェンゲルと監督の間で意思の疎通が密にできていないといけません。どちらがどちらの言いなりになってはいけないのです。例えばヴェンゲルは世界最高のキーパーだと思ってレーマンを獲ってきた、でも監督は物足りないからもっと違う選手が欲しいと言った。この時ヴェンゲルが自分の意見を押し通せば監督は存在意義がなくなってしまいます。逆に監督がソングみたいな即戦力にならない若手はいらないからカンビアッソを獲ってこいとかいう事を言い出したらヴェンゲルが監督をやめてまでクラブに残る意味はないわけです。一見同じ事のように見えますが、要は二人が話し合ってしっかり妥協できなければ成り立たない、という話ですね。

何だかわけのわからない話になってしまいましたが、アーセナルがより高みを目指すのならこれも一つの方法だと思います。何にしてもアーセナル>日本代表の僕にはヴェンゲルが日本代表監督就任、なんてのはごめんです。
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コメント

また来ました♪
じっくり読ませていただきました。

ヴェンガーさんが日本代表にとってどうかというのはスルーしておきますが
ワールドカップの前から次の監督探しのコメントが協会からも出た時お粗末さにとても違和感を感じていました。

本人にインタビューに行く記者にもあきれますが
応じるヴェンガーさんも本当にこうコメントしたのなら火を注いでいますよね。
実際『彼の言葉』で聞いてみたいものです。

まったくの外野が素人意見、失礼しました。

いらっしゃいませ、毎度ありがとうございます(笑)

記事の中にも書いてますが、ヴェンゲルは日本に対するある種の情熱みたいなものは確実に持っていると思います。ここからは僕の勝手な推測ですが、将来有望な若手選手と同じような目で日本を見てるんじゃないでしょうか。と同時にフットボールアディクティッドの彼は、徐々に再発展の兆しを見せてきたとはいえ未だに世間の注目度が低いJリーグとお祭りのように盛り上がる代表との格差を危惧し、(それを活かすかどうかは別として)それに対する彼なりの考えを巡らせているのだと思います。その端的な例が「勝者のエスプリ」や「勝者のヴィジョン」なのでしょう。

確かに報知の記事に書かれているヴェンゲルの言葉は記者のフィルターを通したものですが、恐らく本人が直接口にしたとしても同じような内容になると思います。日本との繋がりを断ちたくないヴェンゲルにとって、「今は目の前のワールドカップに集中しなさい」とは言いつつも聞かれたからには可能性を否定するわけにはいかない、という事なのでしょう。

基本的に僕はヴェンゲルにインタビューに行った報知について特に思う事はありません。協会自らが蒔いた種ですから、メディアがそれに乗っかるのはごく自然な事です。少なくともこの件については川淵キャプテンと彼の発言を容認した協会が責めを負うのが自然だと考えています。

まあ一つ報知に対して不満があるとすれば、「脚色された」「思いこみが入った」「自分勝手な」その書き方ですかね。livedoorスポーツなんてひどいひどい・・・。

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